個人の人権 < 組織のメンツ?

公文書開示請求

県教委に公文書開示請求を出しました。内容は「教員採用試験の面接の質問について」です。

全群教には、「教員採用試験で変な質問をされた」という相談が寄せられており、毎年の交渉で「不当な質問をしないこと」を要求してきました。教委は「不当な質問はしない」と言いますが、具体的に改善しているのかが不明であるため質問項目の開示請求をしました。

具体的な質問例

・結婚(出産)の予定はあるか?
・家は持ち家か?
・子どもはいるか?
・部活は何部がもてるか(もちたいか)?
・勤務地はへき地でもよいか?
・希望の校種でなくてもよいか?

結婚や家族のことは、受験者個人の教員としての資質に無関係かつプライバシーに関わることであり、当然アウトな質問です。そして、弱い立場にある受験者が「部活はやりたくない」「勤務地が遠いと困る」「希望の校種以外は嫌」などと言えるわけがありません。これは優位な立場を利用したパワハラです。

当然、へき地で働く人も必要です。しかしそれは採用後に、その条件で働いてくれる人を探し、十分ヒアリングをした上で職務命令を出すべき事柄です。採用面接で「大丈夫です」と言わせ、採用後に誓約書を書かせて、「これがあるから断れないぞ」と脅迫するやり方は卑劣であり、改めるべきです。

そしてこれらの不当な質問をする際、面接官は「これからする質問は合否には関係ありませんが…」というエクスキューズを入れています。つまり彼らも、「これらの質問を基に合否を決定してはまずい」と認識しているということです。

そもそも採用試験で「合否に関係のない質問」をすること自体が大問題です(もちろん、結婚や出産を理由に合否を決めるのも大問題です)。面接官の趣味で結婚や出産の予定を聞いていることになり、セクハラ以外の何物でもありません。受験者は人生をかけ、合格するために来ているのです。なぜ合否に関係のない質問に答えなければならないのでしょう。

不開示決定

結果は「不開示」となりました。

不開示理由は「当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため」ということです。開示して批判が集まれば、結婚や出産の予定が聞けなくなったり、「へき地勤務でも構わない」という言質が取れなくなったりしてしまいます。であれば理由は「当該事務の不適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため」と書くべきです。

この開示請求は「面接で不適切な質問をさせないこと」を目的とする公益性の高いものです。不服審査請求をしていきます。

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