高崎市教委交渉(2026/03/27)
逃げる市教委、火に油を注ぐ
今まで全群教は7時開門問題について、要求書を4回提出し、交渉を申し入れてきました。
1回目は8月8日。2ヶ月以上待たされ、交渉が設定されたのが10月16日。完全なゼロ回答であったため、即日2回目の要求書を提出。これについて市教委は対面での交渉を設定せず、11月18日にA4一枚の回答を送ってきました。もちろんゼロ回答です。
3回目の要求書は1月6日。必ず対面での交渉を設定することを求めると、市教委は「この要求書では交渉を設定できないと弁護士が言っている」と、なぜか突然弁護士を介在させて交渉を拒否。「弁護士が言っている」と言えば、私たちが引き下がると思ったのでしょうか。これは公権力によるハラスメントです。こんな姑息なやり方に屈するわけにはいきません。
2月12日に4回目の要求書を提出し、ようやく3月27日に対面の交渉を設定させました。しかし市教委は事前に、「時間は30分だけ。教職員の勤務条件に関すること以外は交渉に応じない」と制限をかけてきました。理由を尋ねると「弁護士がそう言っているから」とのこと。私たちは同じ人間として、真面目に話し合うことを求めています。しかし話し合うことから逃げ、私たちの口を封じようとする態度は火に油を注いだだけです。残念です。
要求書
1回目 要求書(2025/08/08)
2回目 要求書(2025/10/16)
市教委による回答(2025/11/18)
3回目 要求書(2026/01/06)
4回目 要求書(2026/02/12)下の画像

回答前のやりとり
市教委側参加者は、学校教育課長、教育総務課長、教職員課長、学校教育課職員の4名。全群教側は8名。
市教委
本日の場の確認をさせていただきたい。要求書の内容に基づき場を設定した。時間については30分。要求書の内容を弁護士に確認してもらい、要求項目4 から6 において、労働強化についての懸念が生じているようなので、その部分に回答するということでよいか。
全群教
こちらとしては要求書で出している内容はすべて「交渉事項」と考えている。我々も忙しい中で集まっているので、30 分以内に終わればありがたいが、時間ではなく、あくまで「合意を目指して」話がしたい。
そもそも「30分に限定」ということに、非常に不満をもっている。私たちは法律に基づいて、労使対等に話しているはずである。他の教委で30分に限定されたことなど一度もない。高崎だけがそういう対応をしていること自体が不誠実であり、問題である。すっきり話がついて早く終わるのならいいが、時間を決めて「ハイおしまい」というものではない。我々の人生にも関わる大きな問題を軽く扱わないでいただきたい。そしてその弁護士の名前を教えていただきたい。
市教委
今日は担当がいないので…
全群教
では後日。その弁護士がどういう意図でそんなことを言っているのか、なぜ今回に限ってわざわざ弁護士を介在させるのかが分からない。労使の交渉なので、弁護士が入る必要はない。
市教委回答
市教委が回答を準備したのは、以下の3項目のみ。
- すでに具体的対応を協議している学校職員の間でも事業の詳細について理解に相違が生じている。市教委から統一した実施要領及び留意する点などを全校に文書で示すこと。その際、市教委が従来より言明している「管理職を含む教職員にこの事業に係る早朝出勤を求めているものではない」ことを明記されたい。
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これまでも校長会等を通じて説明を繰り返しているため、文書に明記することは考えていない。
高崎市では行政決定をすべて口頭で行うようです。そもそもこの7時開門事業自体が一部の人たちの口頭で決まり、決定までのプロセスが議事録に残されていません。
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緊急対応が必要な場合は「その時いる教職員が対応する」という市教委の考えは時間外労働の黙示の命令となり、ハラスメントであるため撤回すること。
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緊急対応が必要な場合は、校務員が管理職等に連絡をして指示を仰いで対応することとしている。場合によっては、その時怪我をした子どもが目の前にいれば、教職員も対応する場合があるし、今までもそうしていたと思う。そのことをもってこのようなことを申し上げた。
回答していません。意を汲んであげると、「目の前で困っている子どもがいたら対応しますよね。今までもそうしていますよね。これからもそうしますよね。これは命令ではありません。よって、ハラスメントではありません」ということでしょうか。
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早朝開門に伴う事前調査、職員会議の増加、事業開始後の対応の検討など、この事業によって既に教職員の負担を増加させていることを認めること。
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働く親を支援することと、子どもの安全確保のために校舎の中に入れるようにするということで、細かな制度設計は各学校の実情に応じて必要であれば(すればよい)。制度設計自体は非常にシンプルなものであり、校務員が開門する、校舎の中に入れるようにする、ということで勤務の負担が増加しているとは捉えていない。
「丸投げ」を「シンプル」と言い換えています。こんな屁理屈を言っていて心苦しくないのか、私たちには理解できません。
目の前で苦しんでいる人がいる。しかもその人は「苦しい。助けて」と声をあげている。そこで市教委は目を閉じ、耳を塞ぐことで、「その人は苦しんでいない」と結論づけています。
回答後のやりとり
要求項目11 最低賃金の引上げに伴い、予算ありきで非常勤職員の勤務日数を削減することをやめ、子どもたちの教育のために、実際の業務に必要な勤務日数を保障すること。
全群教
「勤務に関わること以外は回答しない」と言っておきながら、勤務条件そのものである11に回答しないのはなぜか?
時給引き上げに伴い、図書館指導員などの非常勤職員の勤務日数が減らされている実態があります。
市教委
「予算ありき」というわけではなく、扶養の関係などがあり、年間の給与合計に上限があるため、勤務日数を減らすことで対応している。
全群教
やはり我々の要求が通じていないということがよく分かる。我々は要求を出し、交渉の場で労使双方の考えをすり合わせることで着地点を見つけたいと考えている。だから「これはダメ、これはいい」ではなく、まず話を聞いていただきたい。
図書館指導員はどんな仕事をしているかご存じか?
(市教委からの通り一遍の回答に対し)それは募集要項に書かれていることであり、実際にはそれ以外にもたくさんある。5年前は年間221日だった勤務日数が現在は188日。私たちにとってこれは非常に重いことであり、苦しいこと。私たちは図書館で何をしていると思われているのか、暇人だと思われているのか、怒りを感じた。
選書はくじ引きで決めるわけではない。国語の図書、教科書、上下巻全部読む。何が使われているのか把握する。教科ごとに何を勉強するのか。何の資料が必要なのか。先生方と話し合い、市の図書館ともやりとりして決めている。勤務日数を絞られると先生たちと話ができない。環境づくりの時間がとれない。レファレンスだってただ検索するだけじゃない。アマゾンじゃない。
そういう時間を削られてしまうと子どもたちの要求に何も応えられなくなり、それはもう図書館ではない。ただの倉庫である。学校図書館は無料貸本屋ではない。子どもの成長を促すためにやることがたくさんある。子どもの発達に合わせ、配慮が必要なのに、それができない。
子どものためにやりたい仕事が、時間を減らされることによってできないことが問題であり、それが要求。「ここは答える、ここは答えない」ではなく、まずは話を聞いてもらわないと交渉ができない。
「これは答えません」というやり方自体がやはり問題。地方公務員法には「勤務条件以外を話し合ってはならない」などとは一言も書いてない。管理運営事項だというのであれば、交渉の中で「その点については管理運営事項なので」と言えばよい。わざわざ事前に弁護士を入れて、「これは組合に答える必要はない」と予防線を張っている時点で不誠実。
真剣に話し合ってほしい。私たちは真剣な思いで来ている。「上でこう決まった。自分たちには権限がない」というのであれば、教育長を連れてきてほしい。一方的に「これは答えません」というやり方は非常に失礼。私たちは対等な立場でここに来ている。私たちの要求がおかしければ、「おかしい」と言えばいい。「弁護士がこう言ってるから、あなたたちには答えません」では話にならない。「偉い人が決めたんだから従いなさい」という話ではない。
法律は人権を守るためにあるのではないのか。労働者の方が圧倒的に立場が弱いから労働法があり、使用者と対等に話す権利が保障されている。逐条地方公務員法にも「使用者は積極的に職員団体の話を聞くべき」と書いてある。それが結果的に公務労働を改善させ、子どもたちへの良い教育につながる。交渉前に「これとこれは答えません」では話し合いにならない。
「日本国憲法と子どもの権利条約のことは答えない」と言うが、日本国憲法を守ってなければ、当然私たちは言いに来る。子どもの権利条約を守ってなければ言いに来る。「地公法にないから関係ない」という話ではない。
無人の校門に校務員さんを20分も30分も立たせておくのは人権侵害ではないのか。憲法18条の「苦役の禁止」に違反している。
1200人以上の教職員が明確に反対の意思を示しているのに、それを完全に無視している。これは憲法13条に違反している。私たちを個人として尊重していない。人間として見ていない。「あなたたち現場の教職員の意見はゴミだから聞く必要がない」と言っている。
「7時に開門するから子どもを置いて行っていい」というのは、子どもの権利条約3条に違反している。子どもをモノとして扱っている。親が長時間働くために邪魔な「お荷物」として扱っている。子どもにとって一番よい方法を、私たち大人は考えなければならないのではないか。市長が「門を開けて入れときゃいい」と言ったのなら、「それは子どものためになるんですか?」と言わねばならないのではないか。私たちは「絶対に子どものためにならない」と思っている。だからこうして言いに来ている。
「校務員にも安全配慮義務がないとは言えない」という根拠は何なのか。校務員はそういう条件で雇っているのか。4番の回答、職務内容について「明記する気はない」のだから、つまりすべて口頭で行うということでよいか。そんな行政事務があるのか。7時開門が決まった際の議事録すらない。そんないい加減なやり方でいいのか。
5番の回答はハラスメントである。早く来なくていいが、緊急対応はいる人がする。現状我々は、命じられていないから善意でそれをやっている。それを今度は「どうせ早く来てお茶飲んでるんだから、子どもの面倒くらい見ればいい」という発想で(事実上)命じている。働く人を見下している。個人として尊重していない。これは勤務時間の問題だけではなく、人権の問題。尊厳の問題。
6番の回答、負担は現実的に増えている。「何人来るのか調査するな」「子どもが困っていても対応するな」と、そこまで言うならまだ分かる。しかし私たちは先生だから、子どもたちを守るためにそれらをやる。それを見越して、「どうせやるんでしょ?」と、善意を当て込んでいることが許せない。
私たちは7時開門自体に反対だが、他県のように見守り員を雇用し、試験的に数校から始めるなどの対応をしていれば、こんな大きい問題にはなっていない。10月16日の最初の交渉でも、「私たちは大ごとにしたいわけじゃない。やるならせめて、子どもたちと教職員を守れる仕組みを作るべき」と言っていた。それを完全に無視して「こう決まったんだからやれ」となっている。
あなたたち(市教委の指導主事)も学校に戻るのに、こんないい加減なやり方をしていて、本当に子どもたちの前に立てるのか。そんな人たちが校長や教頭になって先生たちを指導するのか。人権教育をやれと言うのか。教職員の人権も、子どもたちの人権も踏みにじっているではないか。
結論ありきではなく、人間と人間として話をしてほしい。みなさんも大変だろうとは思う。しかし、「立場があるからしょうがない」ではなく、おかしいことは「おかしい」と言ってほしい。私たちが騒ぐだけじゃなく、みんなで言えば変わるはず。
質疑の中で得た言質(忙しい方はここからお読みください)

6番の回答、負担増加は「認めない」ということだったが、1つ合意ができるとしたら、「労働強化があってはならない」という点だと思うがどうか。

この取り組みによって、先生方に今までよりも早く勤務をお願いするものではない。

実際に事故が起こったとき、善意から「申し訳ないけど、先生方の都合のつく範囲で見守りをしてくれないか?」ということを校長が言うのはダメという認識でよいか。(A)

はい

ニーズを把握して、ヒアリングを行うのも、市教委としては「労働強化につながる」から、できればやめてほしいというスタンスか。(B)

学校の実情に応じて、「必要であれば取り組んでいる」と捉えている。

AとBは「学校の実情に応じて労働を強化する」という点で同じだが、AはダメでBはOKとのこと。学校裁量でやってくれと言いながら、何がよくて何がダメなのかは毎回市教委にお伺いを立てるのか。
事件事故があった後、例えばいじめがあった後、学校が「より一層気をつけるために、見守りを強化する」となったら、市教委は「それは労働強化につながるからやめてくれ」と学校に言うということでよいか。

先生方に、今よりも早く出てきてくださいとか、そういうことを求めることはない。(回答していない)

「うちの子がケガをしたのに先生方は誰も駆けつけてくれなかった」と保護者から訴えがあったとき、学校としては「市教委に言われているので対応しませんでした。ご意見、ご感想は市教委に電話してください」ということでよいのか。

今も地域の方や保護者の方から相談をいただくこともある。このことだけに限らず、普段から対応しているので、それで結構。

本当に58校全校で、4月から開門できる体制が整っているのか。校務員に欠員はないのか。

そもそも大量に辞めたという事実がない。現状、各校に2名の校務員を配置予定で内示している。

〇〇小で、すでに未配置と聞いているが。

〇〇小は、内示をした後に体調不良で辞めた。

整ったのか?

まだ募集している。

△△小は?

△△小も同じ。

揃ったと言ったではないか?

「体制を整えた」と言った。

「体制を整えた」のに、まだ未配置があるということでよいか。

男女のペアは整っていない。その2つは内示後に急遽だったので。

なぜ辞めたのか。

今話した通り。

〇〇小の校務員さんは今まで遅番だったが、急遽早番とされた。早朝登校希望者はゼロなのに、朝開門するためだけに来て、午後には帰ってしまう。学校裁量で(早番を欠員にして)遅番にはできないのか。

保護者の仕事の都合で急に対応が必要になることも考えられるので、できない。

遅番校務員の仕事を教員が肩代わりしなければならないので、労働強化になる。それでも学校裁量にできないのか。

早番遅番を固定する必要はなく、どちらもできるのが理想。〇〇小については、速やかに配置したいと思っている。

今、未配置はどのくらいなのか?

今言った2つだけ。

こちらが言うまで出てこなかったが?

あとは充足している。
次の予定があるので終わりにしたい。

1つも前進していない。7時に門を開けることが最重要ということでよいか。

働き方が多様化している現代において、働く親を支援することと、子どもの安全を確保する2つの目的で、今回の取り組みを実施する。

子どもの安全を確保できない。校務員1人で安全を確保できるのか。それは本当に安全なのか。子どもは「ただ生きていればいい」ということなのか。

申し訳ないが終わりにしたい。

やはり30分では短いのではないか?

最初に伝えた通り。

だから最初に伝えた通り、30分では無理だということ。継続審議ということで、また要求書を出す。要求書を受けないことはありえない。子どものことを第一に考える教育委員会であってほしい。

以上で終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
全群教は交渉終了を受け入れていませんが、市教委側はその場を去りました。その後、私たちは1時間ほど待機していましたが、次の予定があるようには見えませんでした。嘘やごまかしのない教育委員会であってほしいものです。

