太田市教委交渉結果
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変形労働時間制を導入しないこと。
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R5年度は導入しない。
もはやすっかり下火になった変形労働時間制の問題ですが、突然導入されたりしないように毎年確認しています。
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通常学級に在籍する自閉症スペクトラム障害やADHD、LD等の児童・生徒の教育のために支援員等の追加人員を各校、各学年に整備すること。
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引き続き努力していきたい。
教委としては、法令上配置すべき人員すら配置できないのに「そんなことは無理」というのが本音かもしれません。しかし現場で実際に働いている私たち自身が忖度せずに要求していかないと、「要求がないのだから、現場は困っていない」と判断されてしまいます。現場の教員が疲弊して一番困るのは子どもたちです。子どもたちのためにも要求し続けることが大切です。
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通級指導教室の人員を拡充し、希望する児童がすぐに通級できる体制を構築すること。
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尾島小にクラスを新設した。仮通級など、児童生徒の困り感に応じて対応している。
これも現場の実態を伝え続けることが大切です。さらに拡充するためには予算が必要です。私たちは国や県に対し、「教育予算を増やせ」と要求する運動もしています。教委との直接交渉とともに、世論を広げることが大切です。
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小学校における教科別担任制に当たっては、人的配置を充実し、教員一人につき一日2時間以上の空きコマを確保できるようにすること。
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県教委に要請していく。
これも予算が必要です。しかし、「予算がないから現場で何とかやりくりしてください」ということに黙って従い続けてきた結果が、今の現場の疲弊と教員不足です。軍事費を倍増させている場合ではありません。
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コロナ禍において削減もしくは簡素化された行事について、再過熱し、教育の本来の目的から逸脱しないよう指導すること。
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やらなくてもよいものを元に戻さないよう指導していく。
この点は問題意識を共有できました。教員は子どものために「これもやってあげたい、あれもやってあげたい」となりがちですが、他の先生たちの協力が必要なことは「勤務時間」という枠の中に収めなければ際限がなくなります。そして管理職は、教員が善意から「やりたい」と言ったことでも、違法労働につながるものであれば許可すべきではありません。
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教育支援委員会調査委員は、教員の本来業務ではないものであり、児童生徒及び教員にとって不利益が大きいため、発達検査は外部委託をすること。
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特別支援は重要。研修の意味でも、先生たちにやっていただきたい。精神的な負担を与えている点は申し訳なく思う。
特別支援が重要なことに異論はありません。むしろ通常学級でも、「すべての児童生徒に特別支援が必要」という意識で向き合っていくことこそが教育の原点です。しかし現状では、特定の教員に過剰な負担を強いていることは事実です。精神的重圧により体を壊した方もいます。多くの具体的事例を知りたいので、組合への情報提供をお願いします。
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留守番電話サービスを活用するなどして、学校が電話を受ける時間を制限すること。
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一律に制限することは考えていない。
教職員の多忙化解消協議会からの提言(学校向け、教育委員会向け)でも、留守番電話での対応などが提唱されています。先生たちは「子どものため」であれば、無理をして献身的に働いてしまいます。物理的な制限をかけることも検討すべきではないでしょうか。
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ICT機器の使用については各教員の判断によって、必要に応じて使えばよいことを周知し、機器の使用自体が目的化しないよう指導すること。
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使用自体が目的化しないよう、指導していく。
現場からは、忖度による「事実上の強制」事例が複数報告されています。全群教は、県教委交渉でも市教委交渉でも、ICTはあくまで「必要に応じて」使うことを確認しています。
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多忙化の大きな要因の1つである、指導主事の計画訪問を大幅に削減すること。
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今まで通り、2年に1度の授業指導をしていく。
毎年の交渉により指導案の簡略化などを認めさせてきましたが、それでも指導主事訪問は負担です。指導案に忙殺されて睡眠時間を減らしたり、子どもと向き合う余裕がなくなったりすることは、教育にとってマイナスの効果も大きいと考えます。ましてや未配置が生じている学校で、無理をして計画訪問を行うことが、子どものためになるとは思えません。
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教育公務員特例法22条の理念に鑑み、自主的な研修が行えるよう配慮すること。
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配慮していく。
私たちにとって研修は「義務」であり「権利」です。多くの方は「研修したくない」のではなく、「自己研鑽の時間がとれない」ことが悩みなのではないでしょうか? 教員から本を読む時間や、旅をする余裕を奪うことは、教育にとって最大の悪手です。だからこそ私たちは負担感のあるマニュアル的な研修を減らし、学びたいことを学ぶ自主的な研修ができるゆとりを求めています。
※特別支援に関する学問的な知識の習得、エピペンやAEDの使用法などに関するマニュアル研修の必要性まで否定するものではありません。道徳の指導法など、科学的なエビデンスのないマニュアル研修は不要であると考えます。
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教職員の未配置が起こらないよう、指導主事の派遣も含め市教委が責任をもって、具体的な措置を講じること。
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県とも連携し、人員が配置できるよう努力していく。
現場への指導主事派遣は、県でも市でも繰り返し繰り返し、何度も何度も、要求し続けている項目です。指導主事が忙しいのは百も承知ですが、「子どもたちの前に先生がいない状態を解消する以上に大事なことはない」というのが全群教の主張です。未配置が生じている学校でも指導主事訪問を行っていることに違和感しかありません。
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学校ISOについては、環境問題に対する意識の醸成という理念のみを継承し、無用な負担となっている報告書の提出を廃止すること。
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事務作業の簡略化に努力していく。
大事なのは環境問題への考えを深めるという「理念」であり、「紙を提出すること」ではないはずですが、その紙の提出のために無用な負担が生じています。「環境問題に関する授業をするのが嫌」なのではなく、「無用なことに時間を使いたくない」と毎年主張していますが、なかなか理解してもらえず残念です。
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超勤4項目についてすべての教職員に周知し、法令に則った労務管理をするよう管理職を指導すること。また周知するための具体的な方策を示すこと。
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周知するよう、校長会などで指導していく。
明確に、「指導していく」という合意を得ました。これも毎年言い続けてきたものですが、7~8年前には県教委が「周知する必要はない」と言っていたことを思うと、今昔の感に堪えません。多くの人が法令を知り、違法な労働をなくすよう要求していくことが、日本の教育を持続可能なものにしていく第一歩です。
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県教委から「部活動の顧問については職員の意向を十分配慮する。また、顧問を強要することのないよう管理職を指導する」という回答を得ている。市教委の責任としてこれを確実に実行すること。また実現のための具体的な方策を示すこと。
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十分なヒアリングを行い、強要はしない。
「全群教は部活を悪く言っている」と思われることがありますが、それは違います。全群教が問題視しているのは、「やりたくない人への強要は違法である」という一点だけです。部活に積極的に取り組んでいる組合員もたくさんいます。
問題は「人」ではなく、「仕組み」の方にあるのだから、「やりたい人」と「やりたくない人」が分断される必要はありません。全群教は、県教委でも市教委でも「顧問強要はできない」と合意を得ています。そして実際に強要をなくすための条件整備を教委に要求しています。
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文科省が「基本的には学校以外が担うべき業務」と示しているにも関わらず、各学校で当然のように行われている勤務時間外の交通指導や校外見回りなどに関して、市教委としての指針を示し、法令に沿った勤務体系を構築するよう、管理職を指導すること。
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そのようなときには「適切な配慮」を行う。
例えば朝の交通指導、教員が「やった方がいいか、やらない方がいいか」を考えれば、「やった方がいい」に決まっています。これを校長が命じたら違法なので、「(命令ではないが)大事なことだからやってください」と、曖昧な状態で続けられています。「良い事だから、違法でもやる」という姿勢が教職員の仕事を無限に増やしてきました。やはり、「法」に立ち返って仕事を精査すべきだと考えます。
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学校の施設管理責任は管理職にあることを明示すること。また校舎の施錠を日直に委嘱するのであれば、必ず勤務時間内に設定するよう、管理職を指導すること。
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そのように管理職を指導する。
施錠を日直に委嘱すること自体は否定しませんが、「施錠忘れを警備会社から指摘されました。しっかりやってください」と叱責するのは筋違いです。施錠責任は管理職にあることを互いに理解した上で、気持ちよく仕事をしたいものです。
また業務として委嘱する以上、勤務時間内に校舎の見回りができるように設定するのが当然です。「部活を終えた生徒が帰るのを待ってから施錠してください」などということはありえません。
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修学旅行等、超勤4項目(限定4項目)に規定されている勤務時間の割り振りは、半日勤務日などを設け、その週内に取れるよう配慮すること。
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県の条例・規則・通知通りに行う。
教員は、修学旅行などの4項目に限定して、超過勤務が認められます。その際、管理職には振替や割振りを必ず取らせる義務があります。部活や交通指導は4項目に当てはまらないので曖昧ですが、修学旅行のときは必ず割振り表を書きますよね。法令で定められているからです。
振替や割振りを取らせるのは「疲労回復」のためですから、その週に取らせなければ意味がありません。だから校長は振替休日にしたり、半日勤務日を設けたりして休ませなければなりません。ただし、学校事情でやむを得ない場合に限り、8週間後までに休ませればよい、と決められています。
割振りをとれるよう条件整備するのが管理職の仕事なのに、それをせずに「割振りが消滅してしまうので、早くとってください」などと言う管理職もいるようです。悪気はないのかもしれませんが、法令を誤って解釈し、一般教職員に責任転嫁することがあってはなりません。
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暖房の集中管理をやめ、20℃の室温設定はあくまで目安とすること。
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市教委のガイドラインは適切であり、問題ない。
太田市教委が出している暖房に関するガイドラインは大きな問題であると考えています。
エアコンの設定温度は20度以下(集中管理で自動的に下がる。設定が20度であり換気もしているので、20度など到底届かない)。
原則として暖房使用は2校時まで。
ラジオ体操や縄跳びなどで体温を上げる、など。
実際の教室の温度を示し、子どもたちが震えながら授業を受けている実態を報告しました。改善を訴えましたが、教委は「適切である」とし、結論を変える余地は一切ありませんでした。残念ですが、この点では対立せざるを得ないようです。多くの教職員や子どもたち・保護者からの声が必要です。
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過剰な要求をしてくる保護者への対応は担任まかせにせず、管理職及び市教委の責任において対応すること。
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現在も最大限努力している。
安易に「モンスターペアレント」などという言葉を使うべきではありません。しかし、理不尽なクレームに悩まされ、精神を病んで退職する教員が後を絶ちません。教員の人権が軽んぜられる風潮は許せません。
この問題に特効薬はありませんが、教職員が過重労働に追われ、互いに協力したり、問題を共有したりする余裕が学校現場から失われていることも要因のひとつだと考えます。担任任せにせず、管理職が責任をもって組織的に対応することが必要です。
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教職員の業務上の過失や事故によって損害賠償が生じた場合、国家賠償法に鑑み、教職員個人に賠償責任を負わせないこと。
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法に則って処理する。
公務員が職務上の過失で何らかの損害を与えてしまったとき、個人に賠償責任を負わせるべきではありません。これは国賠法で規定されています。
しかし近年ではプールの水道代を教員個人に賠償させる事例などが見られます。個人に賠償させたこの教委は、その後の組合からの質問に「民法に基づいての対応であり、適切だった」と強弁しています。今さら結論を変えられないので、「結論ありき」で民法を援用したものと思われます。
もし、この教員が支払う前に組合に相談していれば、こうした結果にはならなかったのではないかと思います。
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管理職からのハラスメントはもちろん、教員間のハラスメントも根絶するよう管理職を指導すること。
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そのようにする。
管理職からのハラスメントについては毎年要求していますし、個別のパワハラ案件についても全群教の交渉によって解決した事例が複数あります。管理職には、教委からも相当指導が入っているはずです。全体としては、管理職のパワハラは減ってきている印象があります。
最近は、「同僚からハラスメントを受けている」という相談が多くなっています。加害者が管理職の場合、組合が直接交渉し、法令に則って改善させます。しかし同僚の場合、組合に介入する権限はありません(校長に解決のための行動を要求することはできます)。問題を解決する責任は校長にあり、懲戒権は教委にあります。「理不尽に耐える力も必要だ」と、加害者側を擁護する昭和の労働観から、学校現場全体を脱却させていく必要があります。
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異動に際しては、本人と合意するよう、早い時期から十分協議すること。
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十分ヒアリングを行う。
これも毎年確認しているので、どの学校でも早めに打診があるはずです。もし何の相談もなく異動の内示が出たらそれは合意に反しています。しかし、そこで不満を感じたとしても、何も言わずに受け入れれば、合意違反が明るみになることはありません。不当なことには、勇気を出して声を上げることが必要です。
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人事個票に、本人の意に反する記述の強要や誘導が行われないようにすること。「この内容では受け取れない」等、書き直しの強要を根絶すること。
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引き続き、そのように指導していく。
これも毎年確認しています。人事個票に書くのは自分の『希望』です。個人の希望を校長の一存で「この希望は受け取れない」と書き直させるのは越権行為です。希望を出した上で、それを通すか通さないかは任命権者である教委が決めることです(もちろん不当な異動があれば組合として交渉に行きます)。
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日本国憲法、子どもの権利条約を遵守し、教職員の人権、児童生徒の人権を尊重した学校運営を行うこと。
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当然そのようにしていく。
日本国憲法遵守→当然
子どもの権利条約遵守→当然
教職員の人権尊重→当然
児童生徒の人権尊重→当然
教委とも認識の齟齬は一切ありません。
問題は、その「当然」が守られていないことです。