5つの後悔

死ぬ瞬間の5つの後悔とは

「死ぬ瞬間の5つの後悔」という本があります。

ブロニー・ウェアさんという方の、介護で多くの患者を看取った経験が書籍化され、26ヶ国語に翻訳されました。

①自分に正直な人生を生きればよかった
②働きすぎなければよかった
③思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
④友人と連絡を取り続ければよかった
⑤幸せをあきらめなければよかった

の5つで、一番多かった後悔が「①自分に正直な人生を生きればよかった」というものだそうです。

人は環境に染まりやすい

「これって、本当に子どもたちのためになっているのかな…?」と思いながらも、「いや、きっと意味があるはずだ」と自分を納得させ、無駄に時間を費やした仕事はないですか?

私はあります。

「何でこんなことで怒るんだろう…?」と思いながらも、「いや、きっと意味があるはずだ」と自分を納得させ(実際には先輩や管理職の目を気にして)、子どもたちを叱りつけたことはないですか?

私はあります。

口では「参っちゃうよ」と言いながら、内心では長時間労働する自分を誇り、「すみません」と謝りながら帰っていく同僚に対して優越感をもったことはないですか?

私はあります。

人は本心から正しいと思っていないことでも、「自分の認識の方が間違っている」と自分に言い聞かせ、置かれた環境に順応していく力をもっています。

ブラック校則のニュースに憤っても、自校のブラック校則には「ウチの学校では変えられない」と見て見ぬフリをしたり、ブラック部活のニュースに憤っても「自分が何をしても変わらない」と、行動しない理由を作ったり…

もしそんな風に、自分に言い訳している自分に気づいたら、それが自分を変える第一歩です。なぜなら「自分の弱さ」を明確に認識した人だけが、意識的にその弱さを乗り越えることができるからです。

認知的不協和

「認知的不協和」とは、自分の中に矛盾する2つの認知が生じたときにあらわれる不快感を示す用語です。人は、この不快感を解消するために、矛盾する行動と認知のどちらか一方を変えます。

例えばイソップ童話の「すっぱいぶどう」

キツネはおいしそうなぶどうを食べたいと思いますが、手に入れることができません。すると「あのぶどうはどうせ酸っぱくておいしくない」と認知の方を変え、行動を諦めます。

例えば禁煙できない人

体に悪いから禁煙したいと思いますが、やめることができません。すると「タバコを吸って長生きする人もいれば、吸わずに早く死ぬ人もいる。だから禁煙には意味がない」と認知の方を変え、行動を諦めます。

例えば学校に矛盾を感じた先生

「これって、本当に子どもたちのためになっているのかな?」と思っても、異を唱えれば怒られるかもしれません。すると「おかしいと感じる自分の方がおかしい」と認知の方を変え、行動を諦めます。

学校で働いていて「これ、おかしいな」と苦しく感じる瞬間、ありませんか?

そんなときの対処法は3つあります。

①おかしいと感じる認知を変え、大きな流れに身を任せる。
②仕事を辞め、別の道を探す。
③認知を変えるのではなく、現実を変えるために行動する。

とってほしい選択肢はもちろん③です。

おかしいと思うことに「おかしい」と声を上げ、現状を変えていきませんか?

行動するための第一歩として、全群教に入りませんか?

組合って何してくれるの?

「私にはそんな勇気はありません」と言う人もいると思います。でも安心してください。組合には色々な人がいます。それぞれの人がそれぞれの立場で支え合っています。後ろから支えてくれる人がいるからこそ、矢面に立つ人も行動できるのです。

ディズニー映画『バズ・ライトイヤー』の中に、「助けてもらいたいんじゃない、一緒にやってほしいの」というセリフがあります。とても共感しました。

時々、「組合って何してくれるの?」という人がいます。しかし組合は誰かに何かをしてもらう組織でも、誰かに何かをしてあげる組織でもありません。一緒に行動する仲間です。

パワハラされている仲間がいたら一緒にたたかいます。職場で「おかしい」と感じることについて話し合い、それを変えていくために一緒に行動します。もっといい授業をするために、一緒に考え、学び合います。

死ぬ瞬間に後悔しないために

死ぬ瞬間の一番多い後悔は「自分に正直な人生を送ればよかった」でした。

あなたは今、「私はこういう先生になりたかった!」と心から思えるような教師人生を送れていますか?

もしあなたが、誰かが決めた「教員とはこういうものである」という模範解答に合わせて自分を偽っているのだとしたら、本当は「現実がおかしい」と感じているのに自分の認知の方を歪めて、長い物に巻かれているのだとしたら、いつか後悔するのではないでしょうか?

そうならないために、おかしいと思うことに「おかしい」と声をあげませんか?

認知を歪めてその場を取り繕うのではなく、現実を変えるために一緒に行動しませんか?

死ぬ瞬間に後悔しないために。

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