ぐんま教育のつどい 報告

1月28日(土)

コロナ以降開催できなくなっていた「教育のつどい」を3年ぶりに開催することができました。

休みの日にも関わらず、組合員だけでなく、多くの方に参加していただきました。ゲストはフリーランス国際協力師の原貫太さん。社会問題としての教職員の働き方にも関心をもってくれています。「教員のブラック労働」というYouTube動画も作って、発信しています。

前半の全体会は原さんの講演。
後半の分散会は3会場で実践発表。

A 紙授業「タブレットでよくない? いや、それって紙でもよくない? というか、紙がよくない? ~私と子どもとタブレットと紙と~」
B 学活「話し合いを通して育つ子どもたち ~間(ま)、思考、合意から学ぶボクらの民主主義~」
C 特別支援「妙義山とぼく ~子ども自身の力で何かをつかむとき~」

原貫太さんのFacebookより

群馬県の先生方が集まる研修会にて、講演をさせていただきました。テーマは「国際協力」でも「SDGs」でもなく「教員のブラック労働」です。文科省等の調査データや海外との比較を引用し、まずは日本の教員が「いかに異常な環境で働いているか」を可視化しました。私は教育の専門家ではありません。だからこそ、現場で日々奮闘する先生たちの「ナマの声」を聴きながら、対話を通じて、以下のようなことを考えました。


●学校以外の所属先を見つける
学校は狭い。価値観がアップデートされにくい。多様なコミュニティに身を置くことが、既存の価値観を見つめ直すことに繋がる。それは本当の意味で「自分らしく」生きることに繋がる

●生活に「余白」を作る
例えば毎日、夕方に散歩をする。生活の中に余白を作ることで、世の中の矛盾や不条理に気づきやすくなる。忙しさに絡め取られたら、目の前しか見えなくなり、システムを無批判に受け入れてしまうようになる

●仲間を見つけるための言語化と発信をする
人間は忘れる生き物。自分の中に芽生えた違和感やモヤモヤした気持ちを大切に、言語化して文字に残しておく。できればそれを発信する。同じ想いを持った仲間が見つかり、それが関心を持ち続けることに繋がる

(●賞罰教育の弊害:分散会にて)
良いことをしたら褒められ、悪いことをしたら罰せられる。これは短期的には効果があるように見える。でも、長期的には「自分より力のある者の顔色を伺う人」を育ててしまう。それは、承認欲求に縛られた生き方に繋がる


日本の教員を取り巻く労働問題は、知れば知るほどに「日本の闇の縮図」であるように感じ、絶望すらしてしまいます。
だから、その絶望を、少しでも希望に変えるべく、お話をさせていただきました。

社会問題は、問題として認知されて初めて、社会問題になります。逆に言えば、誰にも知られていない限り、存在していないことと一緒です。

国際協力に限らず、あらゆる社会問題において、私の役割は「0を1にする」ことなのかもしれません。
学校の先生たちは、とにかく忙しい。そんな忙しさの合間を縫って参加してくださった皆さまに、心より感謝を申し上げます。

参加者の感想(一部抜粋)

子どもにも居場所を。そして先生(大人)にも居場所を。そう思いました。部活についても多様な意見が交わされたのは新鮮でした。

子どもたちには「ダメなことはダメ」と言うように指導していますが、そう言っている自分は、なかなか言えずにいます。自分らしさは一つではなく、多様にもつことが大切であると思うとともに、子どもたちの居場所をきちんと作ってあげるのが学校の役目だと感じました。

こうして、先生方の状況や環境などを一堂に会して聞ける機会はなかなかとれないので、ありがたかったです。

「自分らしさは1つじゃない」という話がとてもよかったです! 集まる人たちの中での自分の顔、それぞれで見せる顔がすべて自分らしさ。だから、たくさんのコミュニティに所属する。とてもステキな話でした!

タブレットじゃなくちゃできない…ではなくて、近くにある紙だけでも工夫次第で十分いい授業ができる!ということを見せてもらったようで感心しました! そういう自信が本物の「学力」なんじゃないだろうか!

原さんは国際支援を主として活動されている方でしたが、その経験や現状の話が学校教育の現状にもつながっていて、幅広いコミュニティ力のあるすごい方だと思いました。

「教育のつどい」に来る方は、みなさんとても話すことが好きで、学校教育を一生懸命考えて、そしてそれを黙っているのでなく、ちゃんと発信しているのがスゴイと思いました。

モヤモヤしたことを常に感じながら仕事をしてきました。日本の教員は本当に働きすぎだと思います。「余白」を大切にし、働いていけたらと思います。改めて、大切なことに気づかされました。

目の前の業務に追われる毎日だったので、原さんや、参加された先生方のお話を聞く中で、「本当に子どものためになることって何だろう」「どうしたら余裕ができるのだろう」と考えるきっかけになりました。

タブレットの使い方について様々な学校の実践が聞けて、とてもよかったです。また、悩むことや「教育とは何か」という根底のことまで話し合うことができて、とても学びになりました。

自分の考えたことのないやり方、思いなど様々あり、今後を考えるきっかけになりました。教育自体、答えがないものと思っているので、色んな方の話をきけて、自分の血肉とできそうです。

和気あいあい…がキライな方もいるだろうけれど、和気あいあいがいいです。

原さんの問題提起から、すごく自分の価値観や教育観がゆさぶられた濃い時間でした。

原さんについて、実体験に基づいた発言内容に感心しました。この若さでこのように考えられることは素晴らしいですね。年齢に関係なく”問題意識”は大切ですね。

自分がフラフラしている曖昧な判断基準が、原さんのお話を聞くことで「そう考えればいいんだ!」と思うことができました。(第3のコミュニティの話や、多くの人が知ることで社会問題になることなど)

時間は数値で示せるので説得力があるとは思うのですが、価値のある内容、自分にとって追求したい切実な内容であれば、何時間超過しても(とは言いませんが)、ある程度の残業など何でもないのです。時間ではなく(否、時間だけではなく)内容に意味が深いと感じる私です。

「教育」の現場(学校)が忙しく、心がなくなってしまっている。学校は学び合える、楽しく学び合える場になっているかを考えてみた。

どのようにしたら子どもたちがどんな風に育っていくのか、という学習会はとても大事だと思いました。

話題提供者の思いのこもった話がとてもよかった。それに対する参加者のコメントも、それぞれの経験をふまえた内容ですばらしかったです。

とても丁寧に聞いたり指導したりされているのが印象的でした。これまで教師主導の話し合いしかさせてこなかったと反省しきりです。自分自身もみんなを大切にする視点がもてるように考えていきたいです。

子どもや保護者との温かいかかわり方がとても参考になりました。他校の子どもたちの話も聞けて、こういう情報交換は大切だと思いました。

先生と子どもとの関わり、お母さんとの関わりが本当に温かくて、親しみがもてるな~と、温かい気持ちになりました。またこういう語り合いに参加させていただきたいと思いました。素敵なレポートありがとうございました。

特支の分野で、教育的な先生方の関わり方を聞けるのが、とてもありがたいです。「訓練が大事!」「しつけが大事!」という考え方もありますが、やはり人間的な関わり方で育てたいなと、改めて思いました。

中学、高校時代、もっと勝ちたいということで、私たちの代から練習時間を増やしてもらっていました。今日のお話を聞いて、当時の顧問の先生に相当な負担をかけてしまっていたんだなと反省しました。簡単なことではないと思いますが、学校と地域が協力できる部活体制が広まればいいなと思いました。

「子どもに対してできることは、ものごとの解決ではなく、解決のための道筋を示すことと、解決しようとする子どもへの必要最低限の手助け」心に響きました。色々なお話、意見を聞くことができて、有意義なひとときを過ごすことができました。

みなさん、ありがとうございました。

文科省や教育委員会は「先生方は忙しいので学ぶ時間がありませんよね。だからこれをやってください」と、私たちが学ばなくてもいいようにマニュアルをどんどん作ってくれます。

ちーがーうーだーろー!!

私たちは学びたいのです。もっといい授業がしたいし、他の先生たちと情報交換したいのです。子どもたちのこと、学校のこと、教育のことをもっと語り合いたいのです。

今回参加できなかった方も、ぜひ私たちと一緒に学んでいきましょう。教育について語り合うって、最高に楽しいです。

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