2023年度 確定交渉報告①

県教委に、「私たちを炭鉱のカナリアだと思ってください」と話しました。全群教は様々な要求をするので、教委からすればうるさい存在です。

しかし多くの教職員が、苦しくても声をあげず、我慢して頑張り続け、そして倒れています。真面目に頑張っている人が次々に倒れていくような働き方は、やはり異常です。

おかしいことを「仕方ない」と受け入れていれば、それは「当たり前」になっていきます。おかしいことを「当たり前」にしないために、ぜひ一緒に声をあげてください。

教職員の未配置について

県教委回答

喫緊の課題と認識しており、未配置が生じないよう、引き続きあらゆる手段を講じていきたい。

全群教コメント

私たちは「未配置はあってはならないものである」と認識を示すよう要求しましたが、それは認めませんでした。認めてしまうと、「あってはならない状態を発生させている」ことになるからです。しかし本来、未配置を1人でも発生させることは子どもたちの教育権の侵害であり、憲法違反であると考えます。

抜本的な対策(異常・違法な労働環境の正常化及び正規職員増)とともに、緊急的な対応として、(本当に喫緊の課題と捉えているならば)指導主事を派遣するなど、あらゆる手段を講じて、具体的に対策をとるよう要求し続けます。

教職員の未配置への緊急対応について

県教委回答

年度途中に欠員が生じた場合でも、早急に配置ができるよう努める。

全群教コメント

男性の育休取得者も増えています。3年間育休を取得する方もいます。そこに臨時職員を充てているのだから、年度途中に臨時の方が見つからないのは当然です。1年以上の育休代替には正規職員を充てるなど、抜本的な改革が必要です。

正規職員を増やすしか解決策はないのに、それだけはやらないので「たくさん電話をかける」「教員の魅力を伝える動画を作る」「説明会を増やす」などの対策が行われています。教委の内部の方たちにも「教育予算を増やして、正規職員を増やせ!」と声をあげていただきたいです。

柔軟な人員配置について

県教委回答

人事委員会報告を尊重し、産・育休前特配の職種拡大など、柔軟な人員配置や必要な人員確保に努めていく。

全群教コメント

先読み加配(産・育休前特配)の職種拡大は歓迎しますが、私たちや人事委員会が言う「柔軟な配置」とは小手先のものではなく、指導主事の現場への派遣など、もっと大胆な改革です。現場を未配置にするよりも、指導主事を未配置にするべきと考えます。

教職員の長時間過密労働の解消について

県教委回答

教職員の多忙化解消は最重点課題の一つと認識している。学校現場の実態把握に努め、業務の精選の推進など、具体的な多忙化解消につなげていきたい。

全群教コメント

私たちは「現場の教職員及び教職員組合の意見も参考にしながら、具体的な多忙化解消につなげること」を要求しましたが、その文言は削られました。「最重点課題と認識している」と言いながら、現場の意見は聞かないという姿勢に抗議します。

時間外労働について

県教委回答

勤務時間外にやむを得ず勤務せざるを得ない場合には、適切な配慮をするよう管理職への指導を徹底したい。

全群教コメント

私たちは「限定4項目を遵守すること」を要求しましたが、そこは削られました。教委は「適切に運用されている」という見解です。労基法と限定4項目が適切に運用されていれば、長時間労働、ましてや過労死など発生しようがないので、おかしな話です。

「適切な配慮とは何か」については、個別に質問いただければお答えいたします。

休憩時間について

県教委回答

子どもたちを相手にする学校の勤務においては、休憩時間が取りにくい状況にあると認識している。休憩時間の確保ができるよう、群馬県教育委員会として取り組んでいきたい。

全群教コメント

当初、県教委は「もし本当に休憩が取れない状況があるならば、個別具体的に相談していただきたい」などと、とんでもない回答をしたので、強く抗議しました。許しがたい暴言です。休憩時間に働かせ、給料を支払っていない違法行為を現場の責任に転嫁する発言です。

教職員の業務について

県教委回答

教職員が様々な業務に従事していることは認識しており、教職員としての職務を全うできるよう、学校における働き方改革を推進したい。

全群教コメント

私たちは「教職員に本務以外の業務を行わせていること」の問題を追及しましたが、教委は認めません。交通指導や校外補導、部活指導や就学時検診なども、すべて教職員の本務ではありません。教委との交渉と、現場での議論を並行して進めていく必要があります。

教育支援について

県教委回答

発達検査等に通じていない教職員が行う等、不適切な実態が認められる場合には、その改善に向けて努めていきたい。

全群教コメント

本務以外の業務の中で、とりわけ問題なのが「発達検査を教員に行わせていること」です。本来、医療の範疇である「特別支援の対象になるかどうかの検査」を教員に行わせている実態があります。

その子の人生を左右するかもしれない重大な判断を迫られるものであり、プレッシャーで胃腸炎になった人もいます。他の自治体では「専門家が検査を行う」ことを明示しているところもあります。また1人の検査に2時間程度を要するため、長時間労働の要因でもあります。発達検査の出張を命じられ、自分のクラスを自習にしている事例もあります。本務以外の業務のために、本務である授業を自習にさせるなど、本末転倒です。

私たちは「発達検査を教職員に行わせないこと」を要求しました。この要求に対する県教委の回答が上記のものです。「発達検査に通じている」というのはどういう状態を指すのか。「不適切な実態」とはどんなことなのか。そしてそれらを誰が、何を根拠に判断するのかなど、問題は山積しています。

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