2023年度 確定交渉報告③

新体力テストについて

県教委回答

新体力テストの実施について、組合と意見の相違があることは認識しているが、県教委としては実施していきたい。ただし、実施に係る負担軽減の取組等は、引き続き進めていきたい。

全群教コメント

「新体力テストに関する要求書」参照
私たちは新体力テストの悉皆実施をやめるよう要求しています。全国学テと同様、都道府県平均の順位が公表されるため、悉皆で練習させた方が順位をあげることができます。つまり「子どものため」ではなく「大人の都合」です。

「せめて低学年だけでもやめるべき」と言っても、歩み寄りはありませんでした。指導要領には、1・2年生は「各種の運動遊びの楽しさに触れ,その行い方を知るとともに,基本的な動きを身に付けるようにする」と書かれています。そのために体力テストが必要とは思えませんし、シャトルランなどは危険もあります。
※暑い中、低学年の子どもたちにシャトルランをやらせることに教育的意義があるのでしょうか?)

また、記録を各自のタブレットから県教委に送信することになっており、1・2年生にできるわけがないので、担任の労働強化になっています(全群教の抗議により「従来通りの提出方法でもよい」となりましたが、学校ごとに申し出る必要があります)

「多忙化解消よりも体力テストが優先ということか?」と聞くと、「そうだ」とのことで、多忙化解消のためには「運動会の縮小・軽減などが考えられる」との回答でした。『新体力テスト>運動会>多忙化解消』ということのようです。

部活動について

県教委回答

必ずしも教師の担う必要のない業務である部活動の負担軽減を進めていきたい。
部活動の顧問については職員の意向を十分配慮し、強要することのないよう管理職を指導するとともに、希望しない教職員が部活動に関わる必要がない環境を整備していきたい。

全群教コメント

10年前には木で鼻をくくったような回答しかなかったことを思えば、ここ数年の回答は相当前進しています。しかし、2018年に「強要はあってはならない」という回答を引き出したものの、実態としては事実上の強要が続いています。「強制はダメ」と言いながら、「強制の実態は放置」されているので、今後は「強制をなくすための環境づくり」が必要です。

今年は「希望しない教職員が部活動に関わる必要がない環境整備」という回答を引き出しました。ただし、現場での議論も並行して進めていかないと絵に描いた餅になってしまいます。各学校で、合意形成を図っていく必要があります。

小学校の各種大会について

県教委回答

県小学校体育研究会に対し、大会に関わる教職員の負担軽減に配慮するよう伝えていきたい。各種大会に教職員を動員する際は、教職員の意向に十分配慮するとともに、参加を強要することのないよう管理職に周知したい。

全群教コメント

中学校の部活動と同様の問題です。勤務時間外の労働を教員の善意に頼り、事実上強制してきました。「強要はできない」という確認は取れましたので、次は現場での議論と行動が大切になります。

各種休暇等の諸権利を行使しやすい環境づくりについて

県教委回答

育児に係る休業・休暇が取得しやすい環境整備に努めてまいりたい。

全群教コメント

当初の回答は「引き続き、休暇が取得しやすい職場環境の整備に努めていく」というものでした。「引き続き」というと、まるで今まで、休暇が取得しやすい職場環境の整備がされてきたように聞こえます。育児休業、育児短時間勤務、部分休業、子育て部分休暇等、権利は拡充してきましたが、その権利を行使できる環境はまったく整備されていません。権利を行使する人が現場で苦しい状況に追い込まれています。退職した人もいます。

私たちは「育児短時間や部分休業取得者を定数外とすること」を求めていますが、教委は「できない」の一点張りです。「制度がこうだから仕方ない」ではなく、「その制度に矛盾があるのだから変えるべき」だと考えます。

「育休代替には臨時教職員を充てる」「育児短時間や部分休業取得者は定数カウントする」という今の制度を変えないまま、「育児に係る休業・休暇が取得しやすい環境整備」をすることは、「屏風の虎をつかまえる」ようなものです。

不妊治療休暇の拡充について

県教委回答

一年間の不妊治療休暇の必要性は認識している。制度について、研究を進めていきたい。

全群教コメント

昨年は「できない」の一点張りだったことを思えば、「必要性を認識」という回答は一歩前進です。他県では実際にやっているのですから、「できない」ではなく、「どうすればできるか」を考えていただきたいものです。来年度の「研究の成果」が楽しみです。

高校入試の要項について

県教委回答

入学者選抜実施要項について、前年度中に公表することは困難であるが、今後、例年より早めに公表できるよう努めたい。

全群教コメント

当初は「本県は他県よりも早く公表している」という回答でしたが、私たちが他県の状況を調べ、示したことで上記の回答を引き出せました。地味な成果ですが、実際に入試業務に関わっている担当にとっては、ありがたい回答だと思います。

教員採用試験について

県教委回答

試験官の共通理解を徹底し、公正・公平な教員採用試験の実施に努めていきたい。

全群教コメント

教員採用試験の面接で、「結婚の予定はあるか」「勤務地は遠くても大丈夫か」「部活動は何がもてるか」など、不当な質問が行われています。結婚はプライベートなことです。採用面接で「勤務地が遠いのは嫌です」などと言えるわけがありません。部活動は「必ずしも教師の担う必要のない業務」です。

採用するか否かを決める使用者側は、いわば「生殺与奪の権」を握っています。「何が合否を左右するか分からない」という、圧倒的に不利な立場の受験者に対し、教職員としての資質と関係のない質問をするのはアンフェアです。

しかも「これからする質問は合否とは関係ありませんが…」と前置きしてから聞く面接官もいます。なぜ採用試験で「採用に関係ない質問」をするのでしょうか。個人的に結婚の予定を聞いているのであれば余計に問題です。

採用に関することは当事者が声をあげにくく、なかなか改善されません。採用する側は自らを律し、受験者を「対等な人間」としてリスペクトすべきです。

臨時教職員の扱いについて

県教委回答

任用を依頼する際、本人に任用期間が短縮されること等も含め、引き続き丁寧に説明し、了承を得た上で任用してまいりたい。また任用期間が短縮され、任用替えとなる場合は、任用者に負担がかからない手続き等について、他県の事例などを研究していきたい。

全群教コメント

例えば育休代替の場合、育休の方が予定より早く復帰するときなど、使用者都合で退職となる場合があります。これ自体は仕方ありません。しかしその際、自己都合退職とされる問題があります。これをやめるよう要求しましたが、県教委は「使用者都合で退職させることはないと認識している」と回答しました。

校長から「一身上の都合」と書くように迫られ、自書するわけですから、書類上は確かに使用者都合での退職ではありません。しかしこれは明らかに、法の趣旨に反する運用です。違法ではないのかもしれませんが、倫理的に大きな問題であると考えます。

確定交渉報告④は、更新をお待ちください。

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