措置要求で環境改善!

措置要求書(措置要求者)

群馬県太田市では学校の普通教室にエアコンを導入し、10年近くになります。夏は28℃、冬は20℃設定で、市教委による集中管理方式です。夏は28℃設定でも何とかなりますが、真冬の20℃設定は生暖かい風が出るだけで、1~2月は震えながら授業を行う状況です。

全群教は市教委との交渉で毎年毎年「寒すぎるので何とかしてほしい」と訴え続けましたが、対応は変わりませんでした。太田市公平委員会に間に入ってもらっての要求も却下されたため、2023年2月17日、群馬県人事委員会に措置要求書(措置要求は個人名で出します)を提出しました。

エアコン使用ガイドライン

措置要求書への意見書(太田市教委)

意見書に対する反論(措置要求者)

求釈明(人事委員会)

措置要求者に対して

太田市教委に対して

回答書(太田市教委)

市教委の回答書に対して(全群教)

不誠実な回答に対し、次の行動の準備に入りました。具体的には、近隣市町の状況調査(下記)や署名活動の準備です。

すると突然、「ガイドラインが改訂された」と人事委員会から連絡が入りました。概略は「室温が18~20℃になるように、各教室で設定できるようになる」というものです。

結果的に「要求する理由がなくなった」ことで、措置要求は取り下げることになりました。

誰もが安心して働ける職場環境を作るために

今まで、いくら要求しても動かなかったものが、措置要求書という公文書にしたことで「市教委も動かざるを得なくなった」ことは大きな成果です。

しかし私たちは元々、労使相互の尊重と合意の下、交渉で解決したいと思っていました。「寒すぎるから何とかしてほしい」というだけの話です。市教委が「要求は絶対に認めない」という対立的な姿勢を取らず、組合の意見を尊重していれば、措置要求まで至るような問題ではありません。

一般企業に置き換えてみれば分かります。現場の従業員が「寒い」と言っているのに、そこにいない使用者が「寒くない」と言って、寒さの中での労働を強要していれば、「一体どこのブラック企業だ!?」という話になるはずです。

「労働条件は、労使対等の交渉によって決める」のが民主主義社会の労使関係の基本です。

「20℃設定では寒すぎるから何とかしてほしい」というのはワガママな要求でしょうか?

私たちは教委と対立したいわけでも、ワガママを通そうとしているわけでもありません。労使対等な立場での交渉と、相互の尊重を求めています。

組合は法律によって使用者と対等な立場での交渉を保障されています。しかし、法律は学び、使わなければ、単なる文字でしかありません。そして教委(や校長)と一般教職員の間には職務上の指揮命令関係があり、私たち自身が意識的に学ばなければ、残念ながら、自然と上下関係が生まれます。そしてそれに対し、声をあげずに我慢していると、「不当なことでも我慢するのが当たり前」という「空気による支配」が始まります。

私たちは子どもたちに「周りに流されるのではなく、自分の頭で考え、正しいと思うことをしなさい」と教えます。「自分の意見を言い、相手の意見を聞き、互いに尊重し合って話しなさい」と教えます。「出る杭は打たれるから、意見を言わず、長いものには巻かれなさい」とは教えません。

あなたも全群教に加入し、誰もが安心して働ける職場環境を作るために、一緒に声をあげてくれたら嬉しいです。

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